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一言芳恩

~ 優しさを持って未来へ繋ぐ一歩を踏み出そう ~

第41代理事長  大河原 亮

<はじめに>

 昨年、狭山青年会議所は創立40周年を迎えました。卒業された先輩諸兄姉は地域を牽引する リーダーとして今でも活躍されています。今後も狭山をより良いまちにしていくために、次世代を担う私 達が地域を牽引するリーダーとなるべく研鑽を積む必要があります。

 私は、2016年に狭山青年会議所に入会いたしました。それまで、まちの事は他人事と思っていた 私にとって、青年会議所運動はとても新鮮なものであり、入会を機にまちのことを真剣に考えるメンバ ーと出会えたことは大きな刺激となり、共に活動する中で自らの意識をも変革させられました。自らの 意識を変革された者として青年会議所運動に手応えを感じた私は、より一層このまちを良くしていきた いと思うようになりました。

 

 私には普段より大切にしていることがあります。それは、毎日を優しい気持ちを持って生きるということ です。人に優しくされて嫌な気持ちになるという人はいないのではないかと思います。

 何かと忙しない現代において、ふとした瞬間に優しい言葉をかけられたり、笑顔で挨拶をされたりす ると誰でも嬉しくなるのではないでしょうか。少なくとも私は人から受ける小さな優しさが毎日の原動力と なっています。人からもらった優しさで、私も優しい気持ちになることができます。その優しさがまた別の 人へと繋がっていく・・・

 こんな優しさの連鎖が起こればきっと未来は明るくなり、まちもより良くなっていくはずです。

 

 私は家業が整骨院であったことが影響し、高校卒業後、医療の道を志しました。

 当時は介護保険制度が創設されて間もない頃であり、その中で理学療法士という職業を知り興 味を持ちました。理学療法士として働き出して間もない頃、障害を持った方に対する接し方に悩んで いました。自分の障害を受容できずに苛立ち他人に強く当たってしまう方、閉鎖的になってしまう方、 など様々な方がいました。そのような中で、上司がよく口にしていたのは「お前の対応次第で患者様 の人生が変わる」ということでした。患者様の身体機能の回復という大切な役割以上に、その人の 人生に向き合う仕事であるということに大きな責任感を感じました。人の感覚はとても繊細なものであ り、うわべだけの優しさはすぐに見抜かれます。本当に心から気に掛け、思いやることができなければ 人は変えられない、仕事を通じて強く感じました。

 昨今、私たちを取り巻く情勢は厳しさを増しています。新型コロナウイルス感染症の世界的な大流 行により「戦後最大の危機」に直面した今、必要とされるのは人を思いやる優しさではないでしょうか。 コロナ禍において、誹謗中傷やデマ情報の拡散といった優しさを欠く事象が多く見受けられました。 優しさのない行為が拡散する世の中では、感謝の念は生まれません。

 私たちは「明るい豊かな社会の実現」という理念の下に行動を起こし、優しさの連鎖を起こし、次 代を切り拓いていきましょう。

 私が考える「明るい豊かな社会」とは、どのような困難や社会変化が生じても、未来に希望を描け る社会です。これを実現するには、優しさを持ち、ひととまちのためを想って行動できる人を増やしてい かなければなりません。

 今こそこの混沌の先に明るい未来を描き、優しさを持って行動できる人財へと成長していきましょう。 私は「優しさとは強さでもある」と考えています。優しさの中に調和した強さは、大きな勇気とエネルギ ーを兼ね備えています。また、優しい気持ちで生きることは、感謝の感性を高めます。これらは、あらゆ る局面で強い覚悟を生み出します。私たちがやるしかありません。「自分のまちは自分で変えていく」 「まちの未来に何を残せるのか、残さなければならないのか」を決して他人事として捉えず行動を起こ していかなければなりません。

<優しさを持ったリーダーになろう>

 これからの時代を切り拓いていくのは、紛れもなく私たち若い世代です。先行き不透明な現状にお いて、今まさに私たちJAYCEEには、地域を牽引していくリーダーとしての資質が問われているのでは ないでしょうか。

 日々、コロナ関連のニュースが取り沙汰され、人々の意識がコロナに集中している中で、私たち はリーダーとなるべく、今この瞬間にも確実に進行し続けている、未来を脅かす問題にも目を向けな ければなりません。「少子高齢化」「人口減少」といった大きな社会問題が進む我が国において、20 20年代はこれらの問題に伴う課題が、いよいよ深刻化する激動の時代となることが予測されていま す。狭山市においても平成6年をピークに人口減少に転じており、年少人口、生産年齢人口につい ては、継続的な減少が認められています。その反面、老年人口は年々増加し続けており、2030年 には高齢化率が35%を超過するという厳しい推計値があります。

 今後、一人ひとりが優しさを持ち、他人を気に掛け、互いに支え合い、助け合っていくことができな ければ、まちは衰退の一途をたどります。確実に迫り来る不都合な真実から目を背けている限り、私 たちが理念に掲げる「明るい豊かな社会」を実現することは出来ないでしょう。行動してこそ変わるかも しれない世の中において、変わるか変わらないかを考えている暇はありません。

 私たちが強い覚悟を持ち、未来に希望を描き、次代を切り拓くべく、率先して行動を起こしていか なければなりません。他人の幸せを本気で考え、強い覚悟を持って行動を起こすことができる「優しさ を持ったリーダー」を目指していきましょう。

 そのために、私たちが真っ先に取り組むべきは、これから迎える激動の時代に備えて、自身の資質 向上に精進していくことに他なりません。優しさ、様々な経営手法、リーダーシップについて学ぶ事業 を展開していきましょう。

 昨年、ある研修でこれからの時代を生き抜くためには「希少性」を高めることが大切であるという話 を聞きました。近年の急速なAI技術の発展により「この先15年で今ある半数近くの仕事がなくなる」と 懸念される中「レアな存在」を目指していく必要があるのです。

 激しい変化や不測の事態に備えて、私たちができることは自身の価値を高める努力続けていくこと です。努力を怠らず、多くを学び、自身の領域を広げていくことが、より良い未来に向けた第一歩とな るのです。

 明日の社会を創る青年経済人としての誇りを持ち、一人ひとりが経済的豊かさの維持に努めてい きましょう。

 

<組織全体で行う会員拡大と組織強化>

 近年、早期退会者や在籍年数の短期化により会員数の減少が進んでいます。「数は力なり」と も言われるように、拡大運動を継続することで多様性を確保し、地域や人にインパクトを与え続ける団 体を常に目指す必要があります。

 会員の拡大運動は青年会議所運動の根幹をなすものであり、組織の存続の為に欠かすことは できません。狭山青年会議所においても、設立から現在まで途切れることなく続いてきた拡大運動こ そ、現在の狭山青年会議所における最も重要な責務です。

 拡大を成功させるためには、メンバー全員が青年会議所運動に意義を見出し、自信を持ってその 魅力を人に伝えられるようにならなければなりません。仕事や子育ても忙しい中で、何故青年会議所 運動をする必要があるのだろうか。

 このように考えているメンバーが多いのではないのでしょうか。自分のことで精一杯になり、辛い、忙 しいだけの毎日ではこの運動の魅力を伝えることはできません。どのような状況においても、優しい気 持ちで過ごすことが、自分の気持ちに余裕を齎します。青年会議所運動は決して一人では出来ま せん。周りで支えてくれる家族や職場のスタッフ、そしてメンバーに対する感謝の気持ちを忘れず、運 動に邁進していきましょう。

 

 また、会員の拡大運動はメンバー全員が一丸となって行うものです。本年度は、拡大強化月間 の設定や定期的な拡大会議の開催により拡大進捗状況を見える化をすることで、メンバーの拡大 に対するより一層の意識向上を図ります。本年度中に、10名の拡大を目指します。

 そして、本年度は狭山青年会所より埼玉ブロック協議会会長輩出LOMとして、多くの出向者を埼 玉ブロック協議会に輩出いたします。

 出向は、自身に新たな価値観を生み出します。高い志を持ち、自身の限界を超えて挑戦する多く の仲間との交流を通じて、行動を起こすことの大切さや既成概念にとらわれない発想が齎す無限の 可能性を学ぶことができます。出向を機に個人がJAYCEEとしての資質を高め、それをLOMへと還元 することで組織の強化を図ります。

 

<円滑な組織運営と認知度向上への取り組み>

 事務局は、組織運営の要です。これを円滑に行っていくためには、各委員会と連携し、資料や情 報の発信など組織全体の意思疎通を図らなければなりません。

 また、広報活動も欠かせません。地域における狭山青年会議所の認知度は、まだまだ十分なも のではないと感じています。認知度向上のため、積極的に広報活動を行っていきましょう。

 地域にとって必要な団体であると認識されなければ、私たちが行う事業はただの自己満足で終わ ってしまいます。地域や市民の皆様を思い、そのニーズに寄り添うことができなければ、多くの人の意 識を変革することはできません。ホームページやSNS等によって私たちの運動を効果的に発信し「青 年会議所は何をしている団体なのか」と言われることのないように、取り組みが見える狭山青年会議 所を目指していきましょう。

 

<結びに>

 ある辞書によれば、優しさとは「その時々に相手が望んでいることをしてあげること」と定義されていま す。本当の優しさとは、一体何でしょうか。少なくとも自分の気持ちだけで何かをしてあげることではあり ません。相手がそれを望んでいなければ、ただのおせっかいとなってしまいます。自分の利益にはなら なくても、自分が犠牲になってでも、相手の為になるように考えることが本当の優しさです。

 そして、もうひとつの優しさは、相手が望んでいないとしても相手を思えばこそ、しなければならないこ とです。疎まれるかもしれない、嫌われるかもしれない。それでもなお、貫いて実行することもまた優しさ です。優しい気持ちを持つためには、感謝の気持ちを持つことが必要です。

 私は、これまでの青年会議所運動を展開する中で、多くの苦労や困難がありました。

 しかし、困ったときにはいつも支え、助けてくれる多くの仲間がいたことに、感謝するとともに、大きな 喜びを感じています。

 私は、この気持ちを覚悟に変え、目標に向かって突き進む気概を持ってこの一年間を必ずやり抜 きます。メンバーの皆様も最後までやり抜く一年にしていただきたい。

「やるっきゃない」私の好きな言葉です。この言葉を自身に言い聞かせることで自ら退路を断ち、 潔く覚悟を決めることでこれまでの人生のあらゆる局面を乗り切ってきました。覚悟を持ち、自身を奮 い立たせることが、無限大の可能性を引き出し、また周囲を惹きつけ、明るい未来を創っていきます。 日々の感謝の気持ちが、これまで私に覚悟を与えくれたと改めて感じています。今後、どれだけ大き な時代の変化や困難な状況が生じても、一人ひとりが優しい気持ちを持って行動し、感謝の溢れる まちにしたい。

 まずは、身近なところで小さな感謝を探すところから始めようではありませんか。共に研鑽し精進し ていきましょう。

 誰もが未来に夢や希望を描ける狭山となる為に。

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