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理事長所信

「原点回帰」

~原点を学び、新たに挑む 伝統の継承と未来の創造~

【はじめに】
 狭山青年会議所の先輩諸兄姉が狭山をより良いまちとする

為に、直向きに運動を展開する一方で、入会して間もない私

は特に深く考えることもなく、青年会議所の活動に参加して

いました。数年が経ち、私は委員長として入間川七夕まつり

を主軸とした事業を担当する事となり、狭山市駅西口市民広

場に巨大竹飾りを展示する事業を行いました。多くの来場者

の注目を集めた巨大竹飾り事業は、単に祭りに彩りを与える

ために立ち上げたのではありませんでした。地域コミュニテ

ィの希薄化、今後の七夕まつりを担う人材不足が深刻化する

中で、市民によって積み上げられてきた伝統や文化が廃れつ

つある現状を課題と捉え、人々と関わり合いを深めながら地

域コミュニティの強化を図る事を一つの目標として行ったのです。その結果、数々の困難が有りながらも、巨大竹飾りを多くの人々の力を合わせて完成させる事が出来ました。
 私はこの事業を通し、地域活動に参加する事によって、人と人との繋がりが深まる事を確信しました。お互いが強い関心を持つことを通じて、人々は自分達の暮らす“まち”に対して興味が高まるのだ、ということを。

 

 人との繋がりの大切さをより強く感じるようになった頃、家庭を持ち、新たな生活を始める事を契機として自治会活動に参加する事が増え、自分の住み暮らす地域にも興味を持ち始めました。その中の一つである清掃活動で、人との繋がりを大切だと感じていた自分にとって、複雑な心境となる状況に直面しました。世帯数に対して清掃活動に参加する人数が圧倒的に少ない事、自宅の目の前で清掃活動が行われているのにも関わらず、自分の家を掃除している人や、そもそも清掃に関わりを持とうとしない人。地域の人間が身の回りの地域の事にすら無関心となっている現状を目の当たりにして、人との繋がりが大切な事だと感じている私は、衝撃を受けました。
 

 物質的に豊かとなり、利便性の向上や情報化が著しく進んだ現代社会では、人と関わらなくとも多くの物を手にする事が出来るようになりました。つまり、人と人との繋がりが希薄でも、日常の生活に支障を感じる事は少ないのです。
 しかし、今の地域社会が築かれた背景には、その時代時代に生きた人々が強い繋がりを紡ぎ続けてきたという歴史があります。物質的にも、情報伝達や連絡手段も、今ほど豊かでは無い時代、地域の人々が繋がり、自分達が住まう地域をより良くしようと互いに協力し、まちを築き上げてきたのです。私達が特に不自由無く暮らせる今があるのは、この地域の為に尽力されてきた方々が居たからこそ成り立っているのです。豊かになった今だからこそ、次世代を担う我々責任世代がその想いを繋ぎ、今一度まちづくりの原点である「人と人との繋がり」を強くし、現代の生活を取り巻くあらゆる要素を様々な観点から共有し、人が生み出す可能性を信じ、まちづくりを行っていく必要があるのです。

 

 現代では、実際に会ったことが無い人達ですら、SNS等を通じて繋がる事ができるようになりました。しかし、それが本当の人の繋がりなのでしょうか。膝を突き合わせ、互いの価値観や意見をぶつけ合い、共に汗を流すことでお互いへの関心が生まれ、互いに支え合う気持ちが強くなり、そうして出来た人と人との繋がりがまちを支えてきたのです。つまり、人と人との繋がりは、地域を活性化させる為に大切な事なのです。より多くの人と強い繋がりを持ち、まちを活性化させ、誇りに溢れるひととまちの創造に繋げていこう。
 

<原点に立ち帰る>


 狭山青年会議所は創立以来このまちをより良くして行こうと運動を展開してきました。私達は今、混沌とした状況下において、多くの事柄に対し基本に立ち帰る事が必要です。それは、このまちをより良くして行く為にも、まちづくりの原点を学び、先人達の築き上げた歴史を受け継ぐ事を忘れてはならない。原点を学んだ者が新たな試みに挑む事が出来るのです。


 また、この狭山青年会議所は創立から38年という歴史のある団体です。多くの先輩諸兄姉は今でもこの地域のリーダーとして活躍されています。それは、狭山青年会議所において、このまちの課題に真剣に取り組み活動の中で多くの事を学んだ結果であります。このまちをより良くして行く為に私達メンバーも今後、地域のリーダーとして成長して行かなければなりません。
 個々の成長と、この組織を今後も継承して行く為にも、基本となる運営に立ち帰る事は今、必要な事です。このまちの為に「奉仕」を実践していく過程でまちの課題を学び、様々な運動を展開していく過程で「修練」を重ね、青年会議所活動を通じて共に汗をかき「友情」を育み共に成長していこう。
 消極的、受動的行動の中からは何も生まれません。多くの成長に繋がる事を信じ、与えられた機会に積極的に関わり、青年会議所の活動に参加する事は必ず自らの成長やより良いまちづくりに繋がる筈です。


【原点に帰るまちづくり】
 物質的に豊かとなり、利便性が向上し、情報化が著しく進んだ現代社会では、人と関わらなくとも日常の生活に支障が出る事が少なくなってきました。このことは、全国的にも自治会加入率が年々減少傾向にあることから窺い知ることができます。そして、ここ狭山市に於いても例外ではありません。このまま人々の繋がりが希薄化の一途を辿ってしまえば、より良いまちにする事ができなくなってしまうのです。何故なら、今の地域社会を創り上げて来たのは、そこに住まう人々の強い繋がりがあったからなのです。これからも地域に住まう人々が当事者として自分たちの住む地域に関わり、活気あるまちを創る為にも人々の繋がりは必要です。

 

 幸い私達のまちには、多くの人が集まり、多くの人が関わりながら楽しむ事のできる伝統や文化があります。基本にあるものを大切にしながら、多くの人が魅力を感じ、楽しみ、人との繋がりを実感できる事業をメンバーだけで行うのではなく地域の人々と関わり合いながら、若い世代も溶け込みやすい事業を行い共に繋がりを拡げて行こう。


【同志の拡大】
 日本の青年会議所の目的は、明るい豊かな社会の創造です。この目的を達成するには、根本である自らの地域を活気あるより良い地域にして行く必要があります。その為には、狭山の課題や問題を共有し、この地域をより良くする為に、多くの人々に意識の変革を与える事ができる運動を展開して行かなければなりません。自分事ではなく、他人事となってしまっている人々の意識を変える事は簡単な事ではありません。1人がこの運動を展開するよりも、10人、100人と多くの同志が増えれば、地域の人々に気づきを与え、意識を変えるチャンスが増えるのです。
 メンバーの拡大は急務です。各地青年会議所での成功事例の研究や情報交換を行い、効果的にメンバーの拡大を行っていきましょう。

 そして、多くの入会対象者の中心が若手経営者です。入会対象者の成長に繋がる事業を
行っていきましょう。そして、我々メンバーは地域により良い影響を与えるべく経済人として資質の向上も図らなければなりません。個々の資質を磨き、その能力を自らの企業で発揮し地域社会の発展に寄与できる青年経済人に成長していきましょう。


【円滑な組織運営】
 狭山青年会議所の運動を広く伝播する為には、情報の発信は必要不可欠です。各例会や事業の案内を発信する事は青年会議所運動や魅力を伝える為に必要な事です。様々なツールを使い、積極的な情報発信に努めると共に、運動や活動の下支えを行い、効率的な組織運営をサポートし、運営サイドとしての基本となる姿勢を手本として示していこう。


【会員同士の繋がる交流】
 会員同士の交流は、青年会議所運動や活動を円滑に推進させる為にも必ず必要な事です。定期的な交流の機会を設け会員やその家族の繋がりを強くしていきましょう。
 そして、先輩諸兄姉との繋がりを大切にしてきた、じゃがいも大会の運営や近隣青年会議所と
の親睦や繋がりとなるソフトボール大会の運営もしっかりと行っていこう。


【結びに】
 これまで狭山青年会議所は、我々のまちを良くしたいという思いで運動を展開してきました。何故良くしたいのか、理由はそれぞれ違えど目的は同じであります。


 私は、このまちをより良くしていく為に人と人との繋がりは大切なものだと思います。人との繋がり…それは、誇り溢れるひととまちを創造する為に必要なことだから。その為に人と人との繋がりをより深くし互いに必要としあい、活かしあう事が出来ればこのまちに住む人々がまちに愛着を持ち、より住み暮しやすいまちになるのです。


 私は青年会議所に入会していなければ、仲間や人々の支え、そして繋がりの大切さに気が付く事が無かったかもしれない。私達は、多くの繋がりや沢山の出会いがあって今、このまちにこうして生きているのです。


新たな繋がりを持ち、誇り溢れるひととまちを創造して行こう。
誰もが、好きだと言えるまち狭山となる為に。

​第38代理事長 田口 智章

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